東京ところどころ 2015

Tokyo vu par... 2015


今日は大晦日です!

 

このブログをご覧になられているみなさま、今年はどんな一年でしたか?私は一年の間に撮っていた写真を見直しながら、今年を振り返ってPCの前に座って、このブログを書いています。

 

写真を撮る機会は多くても、見直す機会は少ないように感じるので、毎年の年の終わりにブログを書くことは、よい機会になっているなぁと思います。

 

今年、私はこんな一年でした。


♪ Jim O'Rourke - Friends With Benefits Simple Songs



私にとって2015年はJim O'Rourke(以下、ジムさん)の1年だったと思います。久しぶりの歌ものアルバム「Simple Songs」がリリースされて、それに関連するイベントやライブに出かけたことが、とてもよい思い出となりました。

 

このブログでジムさんについて書くのは初めてですが、2000年代のある時期に自分が好きな作品のほとんどが、辿っていくとジムさんに繋がっていることを知って、びっくりしたことがありました。ちょうどNY時代のジムさんの仕事の数々です。

 

その後にジムさんは日本に住むようになり、作品はアヴァンギャルドなもの(ノイズなど)が中心になり、あまり関心がなくなっていました。でも、「Insignificance」というアルバムが大好きで普段から何度もよく聴くお気に入りの一枚だったので、またこんな作品を作ってほしいなぁとずっとずっと思っていました。でも、もうこういうのは聴けないのだろうなぁとも。

 

新作リリースのニュースが流れた時にも、どうせまたノイズのものかと思っていて、あまり期待せずに試聴してみると、ジムさんが歌ってる!しかもとてもポップ!泣きたくなるほど嬉しくなりました。

 

発売前から、このアルバムも「Insignificance」と同じように何度も何度も聴くことになりそうだなぁと予感していましたが、本当に今年はもう一体何度聴いただろうかというほどに聴いていました。(今も聴いてます!)

 

アルバムと同時に発売されたジム・オルーク完全読本をタワーレコードで購入すると、ストアライブの入場整理券「NO MUSIC, NO LIFE!」にジムさんが起用されたポスタープレゼントの応募券ももらえるという、アイドル並みの特典付き商法も、とても楽しかったです。私はポスターに当選しました!

 

ストアライブでは新作の発売イベントであるにも関わらず、新作からの曲は一曲も披露せず、過去の曲を演奏するという意外な展開でした。しかし、各アルバムからのよいとこ取りの選曲で、無料のイベントとは思えぬような豪華な内容でした。

 

今、書いていて思い出したのですが、その日のライブ開始前に久しぶりに関東地方で大きな地震があり、電車が止まって遅れたりしていたので、開始時間を遅らせてスタートしたのですが、ジムさんが出てくるなり、「今日の地震は私のせいです。すみません」と謝って笑わせてくれたので、一気に会場がなごやかになりました。

 

あと、個人的に印象に残ったことは、開場前に整理券の番号順に階段に並んで待機する形になっていたのですが、圧倒的に男性のお客さんが多かったことです。お互いの券の番号を前後で確認しながら、とてもお行儀よく階段に並んでいる姿を見て、なんだか映画「ナック」で階段に女性が行列するシーンの男女が逆バージョンみたいだなと、おかしくなり笑ってしまいそうになりました。しかも、その男性たちのお目当てのアイドルはジムさんというおじさん!

 

(余談ですが、「ナック」の男女が逆バージョンの行列シーンは「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」でありました。映画をご覧になられた方はわかると思いますが)

 

その後にJohn Faheyのドキュメンタリー映画でのライブNHKのラジオの公開収録も観覧しました。ジムさんは日本語が堪能で、わかっていてわざとおかしな日本語の言い回しを使ったり、寒いオヤジギャグも披露していました。

 

10月の草月ホールでの2DAYSの単独ライブの告知の仕方がとてもユニークで話題になっていました。覆面レスラーがチケットを完売させるためにプレゼンを行う動画です。。

 

その甲斐あってなのか、チケットは発売日すぐに完売してしまいました。先行予約の抽選にはずれたという人がいたようでしたので、念のために私は発売開始時間ちょうどに待機しておいて予約したのですが、危うく逃してしまいそうなほどの人気でした。

二日間に渡って開催されたライブは4部構成で、現代音楽のあらゆる英知を詰め込んだような、非常に質が高く、多彩な内容でした。音楽史に残るような歴史的な1ページを目撃してしまった感じました。

 

そんな凄みを感じさせる一方で、とてもゆるやかでリラックスできるライブでもありました。緊張とリラックスが同時に感じられる、とても不思議な空間。これはきっとジムさんの人柄がにじみ出ているのではないかと私は思います。物販の日本酒は完売してました。

 

ジムさんのライブは即興性が高く、ステージ上で何が行われているのか釘付けになる時があります。何が起こるのだろう、どうなるのだろうと、ワクワクするのです。そして、音と音が重なり合い、演奏する人の心が通い合い、音楽が生まれる瞬間にすごくすごく感動します。音楽ってなんて素晴らしいのだろうと、胸が熱くなりました。

 

ライブの帰り道に街の音の全てが実は音楽なのではないか?高揚した気分で頭の中がふわふわしながら、そんなことを感じて歩いていたのですが、その不思議な感覚は今思い出しても、なんだかつかめないままです。 

 

内容についての詳細は、佐々木敦さんがツイートされていたのが、わかりやすくまとまっていたので、10月24日10月25日のツイートをご覧になってみてください。

 

私は世界で一番好きな場所は自分の部屋だと思っていましたが、今はジムさんのライブ会場が一番好きな場所だと感じます。この超・出不精者の私がこんなに変化するなんて…。

 

思い出せば思い出すほど愛おしく、貴重な時間でした。ジムさんありがとう!!

 

ジムさんは最近、たくさんライブ活動を行っていて、11月には毎週どこかしらでライブに出ていました。ジムさんのライブが毎週開催されているなんて、東京ってすごい街だなぁと改めて思います。

 

観ている人がこんなに楽しいのだから、やっているジムさん本人もきっとすごく楽しいんじゃないかな?ジムさんがライブの楽しさに目覚めて、またたくさんやってくれたら嬉しいです。

 

ジムさんについて、本当はもっともっと書きたいことがたくさんありましたが、とりあえず今年の終わりのわずかな時間では、それは難しかったので、ジムさんの今年の活動とライブの話題に絞っています。

 

今回の記事でジムさんに興味を持たれた方は、最後に私のおすすめしたいジムさんの関わっている作品をリンクしていますので、お時間がある時に聴いてみてください。

 

さらに興味を持たれた方は、ポストロック・ディスク・ガイドいう本に、ジムさんの過去の仕事がわかりやすくまとめられていたので、それぞれの詳細について調べてみてください。ジムさんについて調べていくと、さらに音楽への興味が広がっていくと思います!

ジムさんのライブ情報はTwitterでチェックすることができます。共演するアーティストによって、ジャンルや演奏する楽器もそれぞれなので、自分の好みに合いそうな日を探してみるとよいと思います。

来年はジムさんにゆかりのあるアーティストの来日公演も決まっています!

詳細はリンクしてますので、各リンク先をご覧ください。

1月 Joanna Newsom

1月 David Grubbs

3月 Tweedy

4月 Tortoise


ああ、あと1時間で今年は終わってしまいます!無事に年内に更新することができてよかったです。こうして書き始めてみると、どんどん言葉が出てくるものだなと、自分で自分に感心します。今年は一度しか更新できなかったので、一年分の想いが溜まっていたのかもしれません。最後までお読みくださってありがとうございます。

 

それでは、よいお年をお迎えください☆


私のおすすめしたい6枚です!

 

♪ Jim O`Rourke - Therefore I Am (Insignificance

♪ Gastr del Sol - The Season Reverse Camoufleur

♪ Sonic Youth - The Empty Page (Murray Street)

♪ The Sea And Cake - Afternoon Speaker (Oui)

♪ Beth Orton - Paris Train (Daybreaker)


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