時には少女のように その2 - 高橋マリ子

Sometimes like a girl part2 - Mariko Takahashi


前回に引き続き、最近いろいろと夢中になって本を読んだり、

音楽を聴いて過ごしていた中から、お裾分けです。


吉屋信子の本を読みながら、中原淳一の描く挿絵の少女を見ていて、

モデルの高橋マリ子ちゃんの写真集を思い出しました。

発売当初に書店で立ち読みをして、胸がキュンとしたのを覚えています。

いつか買おうと思いつつ、そのままにしていたのを、思い出してやっと購入しました。

 

そして再びこの本のページをめくってみて、わー、こんなにいい写真集だったっけ!?

と、ちょっと興奮してしまいました。

 

雑誌などで着飾ってメイクして作りこまれたモデルとしてのマリ子ちゃんではなく、

普通の素顔の少女がそのまま記録されたようなドキュメンタリータッチで、

一番美しい少女の時期のマリ子ちゃんの姿が捉えられています。

 

少しセンチメンタルな気分になりました。

発売当時(2001年)から、月日が経ったから感じることかもしれません。


高橋マリ子ちゃんといえば、たくさんCMに出ていましたが、

映画に出ていたことを知っている人は結構少ないのではないかと思います。

 

嶽本野ばら原作の“世界の終わりという名の雑貨店”という映画です。

深夜にテレビで放送していたのを、たまたま観て、これは何だろう?

と、気になって最後まで見入ってしまいました。

 

あとで、その時に映画館で働いていた友達が作品名を教えてくれて、

チラシも持っていたので、分けてくれました。

すごく気になったので、最初からもう一度観たくなり、DVDも購入しました。

マリ子ちゃんが演じる主人公の胡摩(こま)ちゃんは、ちょっと暗い女の子。

学校や家の中でも、なんとなく居心地が悪くて、孤独を感じている。

自分で自分に手紙を書いて、それを送ってひとりで読んでいたり、

学校の屋上でひとりでボーっとしたり、自分のお部屋でも憂うつに寝そべっている。

そんな彼女がある日、ブティック(Vivienne Westwood)のディスプレイに

見とれてお店の中に入り、次々とたくさんお洋服を試着して、

今までにないイキイキとした表情になる。まるで何かに目覚めたかのように!

そして、学校の帰りに“世界の終わり”という名の人気のない雑貨店を見つけて、

そこに自分の居場所を感じて通い始める。

ストーリー後半は、ネタバレになってしまいそうなので控えておきます。

ちなみに原作も読んでみましたが、全く別のストーリーと考えた方がよさそうです。

私は原作の世界が全然理解できず、映画の方が好きでした。

雑貨店の店主役の西島秀俊さんも、よい味を出しています。

 

この映画、マリ子ちゃんの魅力がギュッと詰まった美しい映像もいいのですが、

映画としても完成度が高いのに、あまり知られていないし、評価されていないのが

残念です。

 

少女を描いた映画作品として、すごくよい作品だと思います。

あの時期の独特の気分が伝わってきて、心の奥に眠る記憶をノックされるような…。

 

マリ子ちゃんのセリフの少ない表情での演技もすごく素敵です。

特に雪が降り始めた瞬間とか。今回記事に書くために画面をキャプチャーしていて、

改めて感じましたが、本当に瞬間瞬間にハッとするようなよい表情が多いです。

 

たまにあるセリフも、ぼそぼそ喋っていて、そこが素の感じでいいなと思いました。

私もこの年齢の時に、こんな感じの喋り方だったので、周囲の大人から

「もっと大きな声ではっきり話しなさい」とよく怒られてました。

 

特典映像の中のインタビューでマリ子ちゃんも言っていたのですが、

女の子は好きな服を着ていると自信が出たりして、好きな服を着ることで、

ちょっと武装するような、自分が変われるというところは、

主人公の胡摩ちゃんにすごく共感できるなぁと私も思いました。


中原淳一の描く少女の絵から、高橋マリ子ちゃんを思い出し、

また少し、少女の世界に浸るような本と映画を紹介してみました。

 

その後、吉屋信子の“暁の聖歌”と“紅雀”の2冊を一気に読みました。

長編だと結末が気になって、読むことを止めることがなかなかできません。

このふたつの作品は、人が変化していくこと、何が魅力になるのかわからないこと、

そんな人間の持つ可能性みたいなものに、励まされた感じがします。

 

また図書館で4冊借りてきたので、それで一通りを読み終えることになりそうです。

何かに夢中になるのには、秋は一番よい季節です!


コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。